騎士の誇りと驕り

推奨人数:3〜5人
適正ステータスB:2〜3
舞台:「騎士団領ミルザブール」

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ミルザブールで毎年恒例の騎士叙勲式典が行われる。
その式典にあわせて行われる新人騎士達の実戦演習。
PC達はその舞台となる廃棄砦の事前調査を依頼される。


シーン1:ミルザブール港にて

PCは連絡船でミルザブール港にやってきます。港は騎士叙勲式典の熱気にあてられお祭り騒ぎです。
露天では今年叙勲される新人騎士の似顔絵や軽食が販売され、PCにもひっきりなしに声が掛かる状態です。

PCは目標値9で警戒判定を行います。
一番低い数値で失敗したPCはスリに財布をスられてしまいます。
誰も失敗しなかった場合は、一番達成値の高かったPCが目の前の通行人の財布をスリが盗もうとしていることに気がつきます。

・スられた場合
スリがその場を立ち去ろうとしたところに一人の男が現れます。
「そこの男、止まれ。今スリ取った金を置け。さもなくばその両手叩き落とすぞ」
身なりの良いその男はPCがスリ取られた財布を取り返してくれます。
「この活気だ、気も緩むのだろうが気をつけた方がよい。一応このスリを騎士団の詰め所まで連れて行くので被害者である貴殿等もついてきてくれるかな?」
そういって城下の詰所までの同行をPCに求めます。
「あぁ・・・まだ名乗っていなかったな、私の名はハインリヒ。この街の南にあるオイゲンシュタットを預かる物だ」

・スられなかった場合
スリは通行人の財布をスリ取るとそのまま雑踏に消えていこうとします。
PCがスリの捕縛を試みた場合は素早さ判定(目標値8)を行い成功すれば捕縛することができます。
スリを捕縛するとスられたこと遅まきながらに気がついた男が声をかけてきます。
「いや、かたじけない。私としたことがこの街の熱気にあてられたらしい。貴殿等のおかげで財布も無事に戻ってきたようだ。申し訳ないのだが、このスリを城下の詰め所まで連れて行くので証人として貴殿等にも同行して貰えないだろうか?」
そういって城下の詰所までの同行をPCに求めます。
「あぁ・・・まだ名乗っていなかったな、私の名はハインリヒ。この街の南にあるオイゲンシュタットを預かる物だ」

シーン2:城下の詰所にて

ハインリヒに同行して詰所を訪れると、当番の騎士はハインリヒの顔を見るなり直立不動になり礼をします。
「これはオイゲン公、このような場所にどのようなご用でしょうか?」
「いやなに、縁があってスリを捕縛したのでな、引き渡しにきた」
PCも交えつつ状況を説明してスリを騎士に渡します。
話の途中でハインリヒが壁の張り紙に気がつきます。
「・・・砦の事前調査はまだ終わってなかったのか? 式典が終われば間をおかずに演習の予定となっていたはずだが・・・」
張り紙には「冒険者求む。廃棄砦調査」と書かれています。
期間は区切られておらず報酬は1000金となっているようです。
「どうにも冒険者の集まりが悪いのですよ。大口の隊商護衛と重なってしまったらしく報酬の安い我々からの依頼にはサッパリです」
ため息をつきながら騎士が答えます。
「ふむ・・・」
ハインリヒはPCを値踏みするように見ると
「見れば貴殿等は冒険者のようだ、もしよければこの依頼を受けてはくれんか? 報酬については私が多少は融通するのでこの金額よりは出せるとおもうのだが・・・」

ハインリヒの依頼(要約)

・新人騎士の演習の舞台となる廃棄された砦の調査をして欲しい。
・対象になる砦はミルザブールから半日ほどの場所にあり、一階部分を残して既に崩壊している。
・もしもモンスターがいるようで有れば演習の邪魔にならないように退治してもらいたい(全て退治した後に砦に結界石を配置する)。
・騎士叙勲式典が行われるのが今日から三日後で演習はその二日後に行われるので、準備の都合上三日以内に依頼を完了させて欲しい。
・報酬については時間が迫っていることもあり通常の1000金ではなく2000金を用意する。


シーン3:廃棄砦にて

ミルザブールを出発して約半日ほど森を進むと、目的の砦が発見できます。
崩れかけた壁に囲まれ、話に聞いたとおり一階より上は既に存在しません。

入り口:正門は閉ざされ開きません。その横にある通用門は扉が無くなっておりそこから内部に入ることができます。

砦前庭:風化のはじまった砦跡の影から頭部の非常に大きな大蜥蜴が現れます。蜥蜴はPCを確認すると体躯に似合わない俊敏さで襲いかかってきます。

戦闘:ブテリクス×2


砦 跡内部:内部は薄暗く、カビ臭い空気が充満しています。天井部分が崩れているので若干の光は入ってくるが視界は良好とは言えません。侵入すると床に溜まっ た埃が舞い、PCが吸い込んでしまう可能性があります(目標値8で体力判定を行い、失敗したPCは咳き込んでしまいます)。
さらに、舞い散った埃に紛れるように揺らめく影がPCに襲いかかります。

戦闘:幻眼虫×2 ピー×1


この戦闘の前に、目標値9で代表者(埃で咳き込んでいるキャラクターは代表者にはなれません)が警戒判定を行います。失敗した場合はバックアタックとなります。
埃を吸い込んで咳き込んでいるプレイヤーは1ターン目の行動を行うことができません。

砦内部のモンスターを退治しおえたら、結界石を配置してミルザブールに戻りましょう。

シーン4:ミルザブールに戻って

廃棄砦からPCが戻ってくると当番の騎士から報酬2000金を受け取ることができます。
「ありがとう、助かったよ。オイゲン公が君たちのために宿をとってくださっているから、今日はそこで休んでいってくれ」

この時点で宿を断ってシナリオを終了することもできます。その場合は各自ジュエル5点、経験値10点を得てシナリオ終了です。

PCが指定された宿で休んでいると一人の若い騎士が訪ねてきます。
「ハインリヒ様の使いで参りました、騎士ラファエルと申します。ハインリヒ様が是非皆さんと食事をとのことです。よろしければ同行願えないでしょうか?」
ラファエルに案内されてPCはハインリヒの屋敷に向かうことになります。

「よくきてくれた、急な仕事を頼んで申し訳なかったな。今夜は礼の代わりに是非とも楽しんでいってくれ」
ハインリヒはPCを歓迎してくれますが、食事を終えたところで新しい客がやってきます。

「ハインリヒ様歓談中失礼いたします。明日叙勲される騎士の三名が是非とも挨拶をと訪ねて参りましたがいかが致しましょう?」
ラファエルがそうハインリヒに伝えてきます。
「ふむ、どうだね、折角の機会だ。諸君の冒険者としての教訓を、新たに騎士となる若者達に伝えてくれないか? 彼らにとっては得難い経験となると思うのだが・・・」
ハインリヒはそんなことをPCに提案してきます。

PCが承諾するとラファエルに先導されて3人の若者がやってきます。
入ってきた若者達はPCを見ると怪訝な顔をしますが、ハインリヒの前で丁寧な礼をすると名乗りを挙げます。

まずは栗色の髪に黒い目をした若者が最初に名乗ります。
「お初にお目に掛かります、私は明日より騎士の名を許されることになりましたオイフェと申します。オイゲン公におかれましては未熟な我らに是非ともご指導いただきたく、本日はお伺いいたしました」

短く刈りそろえられた金髪に濃い茶色の目をした若者が続きます。
「同じく騎士となります、ジャファルと申します。『騎士団の盾』の武名は幼子の頃からの憧れでした」

最後に長い金髪を背中にまとめている青い目の若者が名乗ります。
「若輩ながら銀の騎士団に入団することになったアルダと申します。本日は急な来訪にもかかわらずお目通りを頂き、ありがとうございます」

全体的に真面目そうな若者達で、ハインリヒもその挨拶に満足そうです。
「よくきてくれた、諸君等が我らが同胞になることを嬉しく思う。ちょうど今日は縁があって知り合った冒険者の方々に旅の話を聞いていたところだ、諸君等にも良い経験となるはずなので共に聞いて行くがよい」

ハインリヒにそう勧められるとオイフェ達はPCに改めて視線を向け、蔑んだように鼻で笑います。
「折角のオイゲン公のお誘いでは有りますが、我々とて騎士となるべく厳しい修練を積んだ身。今さら彼らの話を聞いても娯楽程度にしか得る物など無いと思いますが・・・」
態度を見る限り残り二人も同じように感じているようです。

「・・・・・・諸君等がそういうのでは致し方ないな。それならば申し訳ないが今日の所はお引き取り願おう、あくまで先客は彼らなのでな。叙勲式典でまた会おう」
ハインリヒが機嫌を損ねた様子でそう言い出すと幾分焦りながら謝辞をすると若者達はこの場を後にします。
その様子をみてハインリヒはPCに頭を下げます
「・・・・・・どうにも若い騎士の視野は狭いな。いや、すまなかった、わざわざ残って貰ったにも関わらずこんなざまではな。・・・・・・ふむ、迷惑をかけたついでにもうひと仕事してもらえないか?」
ハインリヒは何かを思いついたようでPCに仕事を持ちかけます。

ハインリヒの依頼2(要約)

・新人騎士の高くなりすぎた自負を砕くために、本来は先輩騎士が勤める予定になっている新人騎士の演習に仮想敵として参加して欲しい。
・負けて貰っても困るが、勝にしても命は奪わないように気をつけること。
・不意打ちなどもして貰ってかまわないが、当人達がハッキリと負けを認められるような方法をとること
(具体的には毒や眠り薬での捕獲などは禁止)。
・報酬は2000金。

シーン5:新人騎士演習

PCが結界石を使用した砦で騎士達を待つことになります。
PCが不意を打った場合は騎士達のBPは0から戦闘が開始されることになります(方法その他はPC次第です)。
不意を打たなかった場合は3人とも戦闘の最初に術を使用してから戦い始めます(会話の流れによっては1ラウンド目ではなく会話の最後に術を使うのも良いでしょう)。

戦闘:オイフェ、ジャファル、アルダ

PCが勝利すると物陰からオイゲン公が現れ騎士達の精神的な未熟さと、視野の狭さからくる驕りを諭します。
「こ れで自分たちの未熟さが理解できただろう。かの銀の騎士でさえ当初は冒険者として名をはせ、多くの仲間達と戦い続けたのだ。騎士としての修行も良い、それ に自信を持つのも良いだろう。だが、この世界でそれが唯一絶対の強さでは無いのだ。今後の諸君等の精進に私は期待させて貰おう」
ハインリヒは騎士達に訓戒を言い渡すとPCに礼を伝えてきます。
「君 たちにも面倒をかけたね。この騎士達もこれを機によりいっそう成長してくれると思う。謝礼が金だけというのも少しばかり誠意が足りなく思うので、この剣も 受け取ってくれんか? 当家の騎士達に叙勲の際に授ける特殊な剣『ディフェンダー』だ。君らならば上手く活用できるはずだ」

長剣
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ディフェンダー2603030盾非装備時に物理攻撃を受けた場合、長剣レベルと武器強度を回避値に加えることができる(3500)


PCたちがこの剣を受け取った時点で今回の依頼は終了となります。

各自ジュエル10点、経験値20点と全員で2000金を獲得してシナリオ終了です。


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